お茶の知識(緑茶の種類)

  1. お茶の種類
  2. 緑茶の種類
  3. おいしいお茶の入れ方
  4. お茶の保管
  5. 冷茶を楽しむ
 

緑茶の種類

 ひとくちに緑茶といっても、茶葉の性質や製法の違いなどでいろいろな種類に分かれます。

玉露  製法は煎茶と同じですが、よしずなどで茶園を覆い直射日光を避けて育てた茶葉が原料で、高級茶と呼ばれます。遮光して育てたことで緑茶のうま味成分であるテアニンが増し、茶葉にまろやかで濃厚な甘みが生まれます。神経を刺激して精神の働きを活発にするカフェインや、細胞に刺激を与える葉緑素も豊富です。玉露より遮光期間が短いものはかぶせ茶と呼ばれます。
 煎茶  最も一般的なお茶です。摘み取った新芽を蒸してから丹念にもみ、乾燥させたものです。
 深むし煎茶  煎茶と同じ製法で作られますが、蒸す時間を長くして、渋みを抑えマイルドな味に仕上げたものを深蒸し煎茶と呼び、味や色が濃いのが特徴です。甘味のあるまろやかな味と深い香りに仕上がっています。 色・味の濃さのわりに胃にやさしいお茶です。
茎茶(棒茶)  煎茶や玉露、抹茶を製造する過程で取り除かれた茎や棒から作られますが、特に高級な茶葉の茎茶は「雁が音(かりがね)」と呼ばれ、珍重されています。煎茶の茎茶は煎茶の入れ方、玉露の茎茶は玉露の入れ方でそれぞれ楽しみます。すがすがしい香りとさっぱりした味わいです。
番茶  番茶も製法は煎茶と同じですが、大きくて硬めの茶葉が原料です。苦味や渋味がはっきりしており、食後に飲めば口の中がスッキリ爽やかに。お茶の中では最もフッ素を多く含むので、虫歯や口臭の予防にも効果大です。また血糖上昇抑制効果のある成分「ポリサッカロイド」を多く含み、水出しで飲むと糖尿病の予防に効果があると言われています。
抹茶  玉露などと同様に遮光して育てた茶葉を蒸した後、もまずに乾燥させてから葉脈を取り除いたもの(てん茶)を石うす(茶臼)で挽いて粉にしたものです。茶道で使われます。
ほうじ茶  番茶や煎茶の茶葉そのものを強火でいって香ばしくさせたお茶です。さっぱりとした味わいなので、こってりとした食事の後などに適しています。カフェインやタンニンが少ないので就寝前やお子様にも好まれます。
玄米茶  玄米茶は、炊いた玄米を高圧で炒り、番茶などに混ぜたものです。玄米独特の香りが茶に風味を添えています。あっさりとした味わいで後味もさっぱりとしているので、油っぽくこってりとした料理によく合います。
粉茶  お寿司屋さんの「あがり」でおなじみのお茶です。煎茶や抹茶を加工する過程で出た粉や、選別された芽先などが原料です。値段がお手頃で、色・香り・味も十分に楽しめます。さらに料理にも利用しやすい便利なお茶です。
粉末茶  煎茶を粉にした新しいタイプのお茶です。冷たい水にもよく溶けるので、そのまま水に溶いて冷茶にしたり、お料理に使ったりと様々なアレンジができます。お湯さえあればお茶が入れられ、茶がらが出ないので便利です。従来では茶がらに残っていたビタミンEやビタミンA、サポニンなどのお茶の成分も丸ごと摂取できます。
玉緑茶
(蒸し製)
 茶葉を蒸熱し、勾玉形に製造したもので、茶の形状からぐり茶ともいいます。さっぱりとした味わいです。
玉緑茶
(釜炒り製)
 鉄製の釜で茶葉を炒って仕上げたもので、丸い形です。釜炒茶または釜茶といいます。炒った香りが特徴です。釜炒り製は中国式ですが、日本では主に九州地方で作られます。