人形の知識(ひな人形)

  1. ひな人形
  2. 五月人形
 

知っていましたか?お人形にまつわるお話(ひな人形編)

 

ひな人形の保存はお茶箱で

 古くより、お茶箱は衣料品等の保存に最適とされてきました。 本来はお茶の保存、管理、流通に使用するものですが、お茶は湿気や温度差・光をきらうものですので、その効果はお茶の歴史が証明してくれています。 お人形ももちろん湿気をきらいます。市販の家庭用乾燥剤も利用されると良いでしょう。又、「天気の良い日に収納する」というのも湿気対策のひとつです。

●お茶箱の中はトタン張りになっておりますので、木箱や桐箱より保存に有利です。
●お茶箱は40 kg~50 kgのお茶を入れて、3段、4段と積み上げるものですので 木箱や桐箱よりとても丈夫です。
●表面には和紙を貼ってありますので見た目にもきれいです。
●お人形の大きさや種類に応じ、各サイズご用意できます。(別途料金にて)
●「それでも桐箱を」というお客様には、もちろん桐箱をご用意させていただきます。

 

初節句・市松ちゃんがお出迎え

 女の赤ちゃんが誕生すると、その子の無事な成長を願ってひな人形を飾ります。 昔からその人形に赤ちゃんにかかる厄や災いを託すといわれています。 ですから、ひな人形を飾ることは、生まれた子が、健康で無事に優しい女性に育つようにとの家族の願いが込められているのです。 つまり、ひな人形が身代わりになってくれてその子に厄や災いがかかりませんように、 結婚など人生の幸福を得られますように、という家族の暖かい思いが込められているのです。
 雛人形は、赤ちゃんのママのおうちから贈られるのが一般的ですが、最近は、その雛人形をお出迎えする市松人形をパパのおうちで用意する、 という風習も新しいトレンドです。

 

ひな祭り

 初節句につかったお人形は大切にしまっておいて、毎年のひな祭りに飾って、 お子様の年々の健やかな成長ぶりをお祝いします。 女の子が無事に成長し、お嫁入りして女の赤ちゃんが産まれたら、その子のために新しいひな人形でお祝いしてください。ひな人形は一人一人の大切なものなのですから。 また、鳳玉では、人形供養も行っております。 詳しいことは販売員までお尋ねください。

 

ひな祭りのしきたり

 雛祭りのしきたりについて、いくつかご紹介しましょう。 ひな人形は、古くは嫁入り道具の雛形として嫁入り先へ送ったという歴史もありますから、 お嫁さんの実家から送られることが多いようです。しかし最近では、かわいいお孫さまのためにという意味から、まれに、両家でそろえることもあるようです。 また、お仲人さまや、ご親戚、お友達などは、ケースに入った童人形や舞踊人形、市松人形などを贈るのが一般的でございます。地域によっては、お仲人さまは、高砂子人形を贈る事が風習となっている所もございます。ご存知のように高砂子人形はおじいさんとおばあさんの一対の老夫婦と、鶴とカメが飾られた物でございます。「おまえ百までわしゃ九十九まで」といわれますように、夫婦がそろっておじいさんおばあさんになるまで、仲良く健康でいてほしい、とのお仲人さまの願いが込められている物なのです。この様に地域によって多少風習が違う所もございますので、わからない点などございましたら何なりと専門の販売員までお尋ね下さいませ。

 

飾る時期、しまう時期

 ひな人形はいつから飾ればよいのでしょうか? ひな人形は、立春から2月中旬ごろに、遅くてもお節句の一週間前までにはお飾りいただきたいものでございます。そして一番重要な事は毎年お飾りいただくという事でございます。年に一度のお祭りですので面倒くさがらずに、毎年飾る事によって、ご家族の願いもきっとかなえられる事でしょう。 また、お雛様をしまうのが遅れると、お嫁にいくのが遅れる、といいますが・・・・・・・ そんなことはございません。 現代になって誰かが言い出したことが、もっともらしく定着してしまったようです。 古来、日本の伝統行事は、昔の暦で行われていました。旧暦の3月3日は今の4月中旬で、 桃の節句と呼ばれるように季節が伴っておりましたから、飾る時期、しまう時期は、その季節感の範囲であれば、まったく自由でございます。 ただしまうときは、湿気、ホコリ、汚れは人形にとってよくありませんので、カラッとした天気のよい日にホコリを払ってキレイにしてしまってください。

 

ひな人形は一人ひと飾り

 ひな人形はその子の成長と幸福を祈るお祝いの人形で、赤ちゃんの身代わりとなって厄や災いを引き受けてくれるものですから、基本的にひな人形は一人一人のお守りなのです。 神社のお守りを割って二人で分けることはしないのと同様に、母親のひな人形を譲り受けたり、姉妹兼用にするのは本来の意味からするとおかしなことで、次女、三女にも、それぞれのひな人形が望ましいものでございます。

 

返礼品

 初節句のお返しはどのようにしたらよいのでしょう? お仲人さまやご親戚、友人、知人などから初節句のお祝いをいただきましたら、内祝いとして、赤ちゃんのお名前でお返しをします。お返しにはお赤飯や菱餅などを贈るのがよいでしょう。昔はひなの使いといって紙雛をつけてお返しの使者にしましたが、現在ではそのかわりに赤ちゃんのスナップ写真をつけて贈れば、成長ぶりがわかってなおいっそう喜ばれるでしょう。 ただし、お祝いをいただいた方たちを、おひな様を飾った初節句のお祝いに招待できればお返しの必要はありません。

 

左?それとも右?

 男雛、女雛の左右は、そちらが本当でしょうか? 現在の標準的な飾り方は、ひな壇に向かって左側に男雛、右側に女雛を飾ります。これを 右上座といいます。かつては、江戸時代までの日本の礼法では、左上座が正式でした。 ところが現在のように左に男雛、右に女雛となったのは、昭和天皇の即位の礼で洋装の天皇が皇后の右側にお立ちになったことから、おひな様もその影響を受けて右上座に変わってしまったのです。しかし京都や、昔の風習を大事にする地方では、現在でも昔風に左上座で飾っているところもございます。 ですからその意味さえ承知していれば、右・左どちらでも間違いではないといえます。 ただ七段飾りの上から四段目の左大臣・右大臣は昔どうりで、老人は左大臣で向かって右 、若者は右大臣で向かって左というように日本古来の礼法である左上座でお飾り下さい。

 

三人官女

 三人官女についてお話してみましょう。 三人官女の内、一人の人形には、眉がないのにお気づきでしょうか。? 昔は結婚すると眉を剃り落とし、歯を黒くオハグロでそめたものでした。三人の官女の中で一人の人形に眉がないのは、結婚していると言うことで年嵩の人、つまり官女長というわけです。 後の二人の官女には眉があり、未婚の女性と言うことですが、良く見ると一人は口を閉じています。 この様にお雛様は15人が全部違う顔・違う表情をしています。そしてその15人を一人の頭師が作ると言うのが当然なことですから、一人一人の生き生きとした表情や、顔の違う15人が、一人の人形師の手によって作られることによって、感覚的に一貫した面相になるのです。このことを揃いと言います。

 

お料理

 雛祭りのお料理について、すこしお話してみましょう。 雛祭りのご馳走には、はまぐりのお吸い物やお寿司がつきものです。 はまぐりは二枚貝で、自分のフタでないと絶対にあわないことから、二人の気持ちが ピッタリとしている幸福な夫婦を意味しています。 お寿司が好まれるのは、ちょうどひな祭りの頃を旬とした新鮮でおいしい春の魚介類や 春野菜が豊富に出回るので、ひな祭りのご馳走には最適といえるでしょう。 昔はひな祭りの前夜を宵節句と呼んで、女性の天下御免の日で飲んだり食べたりの パーティをしていました。今でもお子様が大きくなると、お友達が行き来して、ひな祭り会を開きます。でもこれも大袈裟に考える必要はありません。心がこもっていればよいので、お料理のほかに子供たちが好むお菓子や飲み物があれば充分です。お子様には白酒の代わりにジュースなどの飲み物、若い女性にはワインなどはいかがでしょうか。男性も招待してテーブルに桃の花を飾りひな段のぼんぼりを点灯すればそれでもう充分。 あとはひな祭りの歌を歌って日本の優しい女の子の楽しいひな祭りとなるでしょう。

 

菱餅

 古代中国では、3月3日に春の七草の汁を蜜とお米の粉に混ぜたお団子を作り、食べていました。これが日本に伝わって平安時代に蓬を入れた草餅となりました。蓬は増血作用がある薬草で、その香りが邪気を払うと信じられておりました。 菱餅も江戸時代には草餅と、白餅の組み合わせで作られておりましたが、現在では 赤は桃の花、白は雪、緑は新緑と見立てた三色・三段物が主流となりました。 菱餅の菱型は桃の葉を見立てたという説もありますが、おそらく日本独特の美的造形から 生まれたものでしょう。 また雛あられは、もち米を煎ってはぜさせたものが原形で、江戸時代には年末から正月 にかけてよく売り出されていたといわれています。色づけしたり、豆をいれるなどのくふうがされ、今日の雛あられが生まれたのでしょう。

 

木目込み

 衣装着人形のほかに、木目込み人形という物もございます。従来の着付けのお雛様を 衣装着というのに対して、木彫風の木地に布地を貼り付けたものを木目込みと言います。 これは胴体のヒダの筋に布地の端をきめこんで作るので木目込みと呼ぶようになったものです。木目込み人形の歴史はもう200年以上になるのですが、ひな人形としては大正時代から見られるようになり、趣味的、彫刻的な味わいから、落ち着いた大人のセンスの人形として愛好されております。

 

全体のバランス

 「鳳玉のひな人形は、本当によい顔をしていますね。」・・・・・ そのようなお褒めの言葉をよくいただきます。本当にありがたいことでございます。 それでは、おひな様の顔を選ぶとき、どんなところに注意したら良いのでしょう。 人形の顔のことを頭(かしら)と言います。この頭は能面と同じように、下から見上げるように眺めると[照る]と言って明るく見え、上から見下ろすように眺めると「曇る」と言って、幾分暗く見えると言うように、こちらの見る角度で表情が変わります。 眼の細い古典的美女の京風頭、パッチリ眼の大きい現代風美女の関東風頭、その中間の 創作頭・・・・・・・たくさんの面相がありすぎて選びにくいと言う声もありますが、長い間、飾って楽しむ人形ですから、アキがこないようにご自分の好みの顔をお選びいただきたいものです。 選ぶときのチェックポイントは、全体のバランスがとれていて仕上げがきれいに感じられること、そしてセットの場合はそれぞれの頭が同じ職人の手で作られた揃頭であるかどうか、などさまざまです。 と申しましても当然のことながら人によって好みが変わるわけですから、最初に見て 「良かった」と思う第一印象を大切に考えたら良いと思います。それが好みと言うものですから。 末永くお飾りいただくものですから、あまり細部にこだわると、全体として結果的にご自分の好みから離れたものを選んでしまうということがままありますので、アキがこないようにご自分の第一印象を大切に、次に販売員のアドバイスにも少し耳を傾けていただき、 後はどうぞごゆっくりとお選びくださいませ。

 

衣装

 衣装については、どんなところに注意したら良いでしょうか? お選びになるときに注意したい点は、全体としての配色の良さと、仕立てがキチッとしていて、硬く感じられること、そして衣装の仕上げが丁寧で、着付けがしっかりしていることでございます。衣装の色柄は選ぶ人の好みではありますが、全体の調和でお選びください。 木目込み人形については木地に布地が良く密着していて、デコボコしていないかと、ヒダに木目込んだ部分がケバだっていないこと、人形の座りが安定していることなどがチェックポイントでございます。

 

正札販売

 かわいい赤ちゃんにとっては、ひな人形を贈られるということは、一生に一度の チャンスなのです。春木屋では伝統と信用の正札販売をさせていただいております。 割引販売のお店の割引されたお値段と、春木屋の正札とを比べてみてください。きっと 納得していただけるものと信じております。 解らないことなど御座いましたら、どうぞ何なりと専門の販売員にご相談くださいませ。

 

桐塑頭(とうそがしら)

 「鳳玉のひな人形は、ほんとうに良い顔をしています。」・・・のキャッチフレーズでおなじみの鳳玉は、明治の中頃より今日までお客様のご愛玩、ご鞭撻を頂いて100年以上 にわたり人形作りを続けているメーカーでございます。 「人形の命は顔」・・・良い人形作りはまず顔作りからと言われております。鳳玉では 桐塑頭(とうそがしら)の第一人者「関根宏生」、古今頭(こきんがしら)で最近成長が著しく、期待の若手「大塚玉映」などの頭を主体とした人形をご用意いたしております。どうぞごゆっくりご覧ください。 「よく見れば 我が子に似たり 鳳玉のひな」 声優の「黒沢りょう」さんのコマーシャルで良く聞かれる鳳玉の人形は、この道一筋の 人形師たちが心を込めて作った人形のみをお届けしております。 特別に注文した金襴、丁寧に仕立てた衣装、伝統の技法に忠実に作られた頭、そのどれひとつにも鳳玉の人形作りに対する姿勢が貫かれております。 どうぞこれらの人形の中からお気に入りの人形をお選びください。